性病検査を受ける上で気になるのは、病院で受ける検査と送られてきたキットによる自己検査との違いについてです。
病院・クリニックでは、医師または看護師によって検体の採取が行われます。
ときに検体量が足りなかったり、適切な方法ではないとの理由で自己検査はダメで、病院・クリニックでの検査の方がよく、自己検査は劣るものという風な空気があるように感じます。
そうしたイメージが先行していることは否定できませんが、実際はどうなのでしょう。
これは私も医師としても非常に気になるところです。
性病検査とひとことで言っても、検体の採取方法は様々です。
尿の採取は病院でも自己検査でもほとんど同じで誰がやっても同じ結果になるでしょう。
もっとも差が出るのは擦過法での検査です。
どこの部分を擦って検体を採取するかによって結果に差が出てきます。
例えばインフルエンザの迅速検査。一度くらい受けたことがあるでしょうか。綿棒を鼻の奥まで突っ込んでグリグリする、あれです。
奥まで突っ込んだ方がウイルス量が多くなるためよりよいと言われていますが、遠慮して鼻の入り口までしか入れていない場合、検体の採取量が少なく陰性で判定されるかもしれません。
同様に性病検査の中で擦過法で検体を採取するHPVの検査ではどうなのでしょうか。
スワブ(綿棒)を膣からいれて、子宮頸部を擦過するため採取する人間による差異がもっともでる性病検査と言えるでしょう。
検査方法をみてみましょう。
まずは病院検査
![](https://safe-me.net/wp-content/uploads/2021/08/image.png)
医師が膣にクスコを挿入し、子宮頸部のを目視しスワブを入れ子宮頸部の細胞を擦ってきます。
次は自己検査を見てみましょう。
![](https://safe-me.net/wp-content/uploads/2021/08/image-1.png)
届いた検査キットからスワブを取り出し、自分で膣からスワブを入れて擦ります。
こうみると
これに対しては病院検査VS自己検査
どっち??というテーマの論文がいくつもだされています。
結論からいいます。論文によって多少の差はあるものの
スクリーニング検査としては、自己検査は病院検査と遜色ない!という結果だと思われます。
・Detecting cervical precancer and reaching underscreened women by using HPV testing on self samples: updated meta-analyses
(自己サンプルのHPV検査を使用による子宮頸がんの前癌病変の検出と、スクリーニングが不十分な女性への到達:最新のメタアナリシス)
Marc Arbyn et al: BMJ. 2018 Dec 5;363:k4823.
→ポリメラーゼ連鎖反応に基づくhrHPVアッセイで使用した場合、自己サンプルでのテストは臨床医サンプルでのテストと同様に正確。セルフサンプリングキットを提供することは、病院を受信するように招待状を送るよりも、スクリーニングが不十分な女性に届けるのに効果的。
・Comparison of self-collected vaginal, vulvar and urine samples with physician-collected cervical samples for human papillomavirus testing to detect high-grade squamous intraepithelial lesions
(高悪性度の扁平上皮内病変を検出するためのヒトパピローマウイルス検査に対して、自己採取された膣・外陰部・尿のサンプルと医師が採取した子宮頸部サンプルとの比較)
J W Sellors et al: CMAJ. 2000 Sep 5;163(5):513-8.
→HPV検査サンプルの自己採取は、子宮頸がんの疑いのある病変の調査のためにコルポスコピークリニックに通う女性に受け入れられ、子宮頸がん予防プログラムのスクリーニング検査としてさらに評価するのに十分な感度を示している。
・ Pooled analysis of a self-sampling HPV DNA Test as a cervical cancer primary screening method
(子宮頸癌の一次スクリーニングの方法としての自己採取によるHPV DNA検査の統合解析)
Fang-Hui Zhao et al: J Natl Cancer Inst. 2012 Feb 8;104(3):178-88.
→自己HPV検査の感度は、LBC( 液体ベースの細胞診)の感度と比較して遜色なく、VIA(酢酸による目視検査)の感度よりも優れていた。自己HPV検査は、包括的な細胞診ベースのスクリーニングに簡単にアクセスできない環境での検査範囲を増やすことにより、現在のスクリーニング計画を補完する可能性がある。
性病もコロナと同じで、症状がある人は病院で検査を受けて他人との接触を減らしますが、 症状がない人が野放しになって感染を広めています。 ですから、無症状でも感染リスクの高い人は検査が大切です。性病はコロナと違って誰にでも簡単にうつるわけではありません。性的接触のリスクが高い人が検査受ければ新たな感染は大幅に防げます。
そして病院の保険診療では症状がある人しかで検査できません。
無症状の方こそ自己検査がより大事なのです。
自己検査やワクチン接種をみんなが当たり前に受けるような社会の実現によって、性に対する偏見を取り除かれ、不妊や癌といた悲しい結末をたどる人が一人でも少なくなって欲しいと切に願っています。
LINEで、あなたの症状にあった検査キットを無料で診断します
- 今出ている症状から、予想される性病をカンタン診断!
- 医師への無料相談可能!
- いつでもLINEから購入可能!